今年の酒粕。

5月からリニューアルした奈良漬、おかげ様で好評です。皆さま、ありがとうございます。この背景にはご家庭でお漬物を作らなくなったという事も関係しているのかもしれません。昔は各ご家庭でそれぞれ独自の漬物文化が成立しており、”家の味”というものがありました。もちろん今でも漬物を作られているお家はまだまだ残っていますが、昔に比べると減ってきている現状です。
そんなお漬物用にと、これからの季節は酒粕の需要が一気にあがってきます。例年だと「どうぞ!どうぞ!」と皆様にお分けできていた酒粕ですが、今年は少し事情が異なります。
といいますのも、今年はなんと「酒粕がない!」のです。皆様ご承知の通り、現在私達酒類業界を取り巻く環境はとても厳しいものがあります。新型コロナウイルス拡大防止のため、政府や自治体から「不要不急の外出自粛」「飲食店の時短要請」「飲食店の休業要請」「飲食店の酒類提供禁止」など、この1年半ほど酒類に対する風当たりがこれでもか、というほど強くなっております。そのため、必然的に私達もお酒の生産量を抑えなければならない事態に直面しています。
そもそも酒粕とは、日本酒が出来る製造過程の”副産物”としてできあがるものなので、お酒の生産量が減ると自動的に酒粕も減産となってしまうのです。という事で今年は近年稀にみる成龍酒造酒粕不足の1年となっています。いつもならどうぞ!どうぞ!と皆様にお届けしていた酒粕ですが、今年に限っては「発売休止」というケースが出てきます。ここ成龍酒造直営の酒蔵SHOPですら、発売休止が先日決定しました。いつも楽しみにして下さっている地元の方には本当に申し訳ない気持ちで一杯です、ごめんなさい。
また来年には生産量が元に戻って、酒粕も皆様に制限なくお渡しできたらいいなと思いつつ、今はコロナパニックが収まる事を願うばかりです。この目に見えないウイルスは、目に見える私達の周りにある様々なモノを一気に狂わせてしまう恐ろしい存在です。ただ過剰にウイルスを恐れすぎるのもいかがなものかと思っています。敵(ウイルス)を正しく知って、正しく恐れる事で、通常の経済活動や日常生活を滞りなく送っていけるようにしたいですね。
という事で今年は酒粕、品薄です。どうかご理解下さいませ。。。